医薬品取引有利にと医師に金銭提供。
昨日の日経の社会面にて
製薬大手MSDが医師に不適切な金銭提供を行ったと記事があった。
メーカー公取協 MSDに「厳重警告」 医薬品取引有利にと医師に金銭提供
違反行為は次のとおり。
▽10年11月、同社の降圧配合剤プレミネントに切り替えた場合の治療効果症例をインターネットによって160例収集するプログラムを実施し、医師には1症例当たり1万円の商品券を提供することにしていた。
公取協の指摘で同年12月に中止になり、商品券は渡らなかったが、処方すれば商品券の提供があるプログラムを実施したことが、不当な金銭提供だとされた。
公取協は「インターネットを用いて簡単な症例調査を行い、医師に対して謝礼を支払う行為は、一般的に、処方することにより金銭の提供が生じることから、原則として、規約上金銭の支払いが認められる調査委託ではない」と認定した。
▽09年10月から1年にわたり、同社のジャヌビアの使用実績が多いオーストラリアの研究・臨床BakerIDIへ、若手糖尿病専門医をのべ48人派遣し、謝金、旅費など1人当たり約65万円を負担。会議では参加者の発言時間は最短で約5分30秒、最長で約14分。帰国後の学術誌などへの執筆や講演も依頼がなく、議事録も作成されていなかった。
公取協は「本件謝金の支払い及び旅費等の負担は、規約で認められている海外で開催される自社製品関係の調査研究に関する会合に派遣する際の報酬及び費用には該当せず、不当な金銭提供及び旅行招待である」と認定した。
▽10年9月から11月まで、同社が今後扱うHPVワクチンの普及、診療実態、公費助成方法のアドバイスを得るための会議に、のべ88人の医師を招き、1人当たり7万円または3万円の謝金を支払った。しかし、1人当たりの発言時間は10分前後であった。
公取協は「発言時間は短く、有意義なコンサルティングとはいえない。事前に資料が配布されていない。十分な知識があったとはいえない者も含まれていたことなどから『仕事の依頼』に対する報酬とは認められず、不当な金銭提供である」と認定した。
▽09年1月から10年9月まで、同社の高脂血症治療薬ゼチーアに関するアドバイスを得ることなどを目的とした会議に、のべ3268人の医師を招き、1人当たり勤務医向け会議の参加医師には7万円、開業医向け会議の参加医師には3万円の謝金を支払った。しかし、座長、演者以外の1人当たりの発言時間は7分程度。
公取協は「発言時間は短い。事前に資料が配布されていない。10年8月25日以前の会議では議事録が作成されていないことから『仕事の依頼』に対する報酬とは認められず、不当な金銭提供である」と認定した。
なんと“プレミネント”や“ジャヌビア”や“ゼチーア”などでそんな事が起こってるとは・・・
見てみるとどれも
・事前に資料が配布されていない。
・会議で議事録が作成されていない。
・学術誌などへの執筆や講演も依頼がない。
・発言時間は短く、有意義なコンサルティングとはいえない。
・『仕事の依頼』とは言えない。
というこじ付けのように思えなくもないが・・・。タレこみでもあったのかな?
どこの製薬企業も同じような事をスレスレでやってるように思うのは気のせいかな?
利益率の高い部門と低い部門。
アインファーマシーズが30日に発表した決算が非常に面白い。
まず数字から追うと、2011年4月期の連結決算は、純利益が前の期比25%増の39億円で4期連続で過去最高を叩き出したのは凄いの一言。
売上高は前の期比3%増の1293億円だった。
注目すべきは、部門別の経常利益だが・・・
主力の調剤薬局部門の経常利益が102億円と前の期比20%増、一方ドラッグストア部門は2億円の経常赤字となり、4億円弱の赤字だった前の期と比べて赤字幅が半減した。
なんとドラッグストア部門は2期続けて赤字だったとは・・・
詳細を見ていないので、ドラッグストア部門が2期だけ連続赤字だったのか?
常態的に何期も連続で赤字が続いているのかは分からないし、偶然収益を妨げるイベントがこの2期の間だけあったのかもしれない。
ただ、おそらくはドラッグストア部門は利益率が悪い業態であるのは間違いないだろう。
雑貨や日用品の利益率は悪く、安売り合戦でほぼ利益が出ない。がしかし、集客は見込める。その集客でついでにOTCを買ってもらって利益を出すといったビジネスモデルか?
それに比べて調剤薬局は今のところ、大分落ちてきたが科にもよるが利益率は安定している。(もちろん安定していないと、国家資格である事の専門性や質の低下が起きる。)
調剤薬局最大手アインの連結決算売上高1293億円と比べると我が薬局は約1/600とアリンコほどだが・・・
追いつけ追い越せと言えるようになりたいな。
アインファーマシーズの2012年4月期は売上高が前期比11%増の1430億円、純利益は同24%増の48億円を見込むとの事。
やっぱ無理かな。。。
朝から気になるニュースが2つ。
同社は平成7年にネット通販を開始。現在は約8千品目を販売し、売り上げは約8億円に上る。注文が多いのは育毛剤や妊娠検査薬などで、客が対面での購入を躊躇するためとみられる。
薬剤師でもある社長は取材に対し、「客とはネット上で情報のやりとりをしており、対面販売以上のことをしている」と説明。ネットでの注文の際は、画面に服用経験の有無や既往症などに関する質問が表れ、支障があれば購入できない仕組みだという。
社長は「一般医薬品は消費者のための薬で、買い方に選択肢があってしかるべきだ」と主張。一方、府は「対面販売はより安全に薬を使ってもらうためのシステム。店頭での副作用に関する説明が必要だ」としている。
対面販売の義務づけをめぐっては、今年3月の「規制仕分け」で、「対面販売の方が安全性が高いとする根拠は明らかにならなかった」などと指摘され、規制緩和へ向けて政府が検討を始めている。
立件され、どういった風に着地するのか非常に重要になるのではないかと思う。
「対面販売はより安全に薬を使ってもらうためのシステム。店頭での副作用に関する説明が必要だ」
対面か否かで副作用のリスクが変わるというエビデンスが認められるかどうか・・・
対面でなくても構わないとなれば、確かに商品の流通上は便利になるが薬剤師が店頭から消える事になる。
必要な制度か不要な制度か議論は続く。
就労支援に関し、大阪市西成区のNPO「釜ケ崎支援機構」の沖野充彦事務局長は「精神や発達障害、極度に自信を失っている人などは『働く意欲がない』とみられがち。精神面を含めた丁寧なサポートが不可欠だ」と指摘する。30年間のケースワーカー経験を持つ帝京平成大の池谷秀登教授は「雇用の場が十分に確保されていない中では、貧困問題の根本的解決にはならない」と警鐘を鳴らす。
おっしゃる通りだが、現実は・・・
・生活保護費3.4兆円のうち、地方の負担は25%。全国最多の15万人、市民の18人に1人が受給者という大阪市の平松邦夫市長は「雇用政策で対応すべき人を生活保護で支えるのは問題だ。制度をこのままにしておくことは許されない」と訴えた。
・大阪市の場合、就職した2319人のうち、保護から抜け出た人は7%、164人にとどまる。非正規雇用が多いためだ。
そんな中、
いよいよ増税待ったなし。当然議論は避けて通れない重要なことなので今後の展開を見守りたい。
盛られる医療費と削られる医療費。
日本の医療費が増大するのは高齢化社会が止まらぬ限り必然なわけで・・・
そんな中、日経新聞にこんな記事が。
病院ベッド140万床に抑制 厚労省案、入院日数3分の1削減
社会保障・税の一体改革 医療費抑制へ2025年メド 2011/5/29 2:00 情報元 日本経済新聞 電子版厚生労働省が「社会保障と税の一体改革」に盛り込む病院改革の具体案が明らかになった。機能別に病床を再編するとともに、現在の130万床から2025年に170万床以上に増えるとみられるベッド数を140万床弱におさえる。また平均入院日数を一般的な病床で3分の1程度削減し、医療費を抑制する計画だ。
日本は欧米などに比べて人口に対する病院ベッド数が多く、入院日数も長い。これが医療費が膨らむ一因になっている。…
この記事の賛否のほどは置いといて、医療費をなんとかしなければいけないのは命題なわけで、こんな悠長な政策で果たして高齢化で増え続ける医療費に、削減する医療費が追いつくのか疑問である。
医療費の削減で思い出されるのが、いつしか立ち消えになる自己負担額ゼロの一部の方を対象に、可能な限りジェネリック医薬品(後発医薬品)を使用する事を義務化するたらなんたら・・・
医療を提供する上で格差や、選択の余地を与えない非人道的な行為は避けるべきとの意見が出て、毎度いつしか立ち消えになってしまう案だが、何か問題があるのだろうか?
国が先発医薬品と同等と認可して、安全性も担保したジェネリック医薬品(後発医薬品)を使用するのが医療の格差などの問題になるだろうか?
それならいっそ、全国民が可能な限りジェネリック医薬品(後発医薬品)を使用する事と法整備すればいいのでは?(先発医薬品の薬価を特許切れと同時に後発医薬品と同じ程度価格を下げる。)
うがった見方をすれば、先発医薬品を使用する事で既得権益を得ている人間が阻止してるのではないか?と思わずにはいられない。
Built-in stabilizer (ビルトイン・スタビライザー) という言葉があって、
例えば、経済の話で言うと、日本は輸出大国で貿易黒字(輸出額−輸入額)が多い。
当然、貿易黒字がガシガシ拡大したら、他の貿易相手国からしたら不満の声も上がってくるだろう。
しかし、増えすぎた貿易黒字額はいずれ縮小するベクトルに動く。
なぜなら、貿易黒字が拡大すると貿易相手国の通貨(ドルなど)での収益が増えるため、それを円に変える工程が必要になる。
すると他国通貨売りの円買いが起こり、円高基調になる。
円高基調になると、当然輸出企業には逆風なので貿易黒字(輸出額−輸入額)は減る方向になる。
つまり行き過ぎたものが自然と是正される仕組み。
Built-in stabilizer (ビルトイン・スタビライザー)最初から組み込まれた抑制装置みたいな感じですかね?(間違ってたらすみません。)
これを医療にも応用して、医療を受ける側の自己負担割合を増やす。
一般の3割を⇒5割に。
高齢者の1割を⇒3割に。
負担ゼロを⇒1割に。
今のままでは、こういった2択の選択肢があった場合どちらが選ばれるだろうか?
自己負担割合の低い者に、医療費の高い治療or同等な質ではあるが安い治療
という2択の選択肢があった場合、ほぼ間違いなく前者が選ばれてしまう。
なので自己負担割合を上げる。そうすれば、自分の医療費を削減したいと思う気持ちが強くなるのは必然であるし、直接的にも国が補助する負担割合も減るので医療費は減る。
これぐらい踏み込まないと、いつまで経っても医療費は増え続ける一方だと思うが暴論かな?
ジェネリック医薬品(後発医薬品)への切り替えが常態化するか否か?
特許が切れた医薬品を他の製薬会社が製造或は供給する医薬品である。特許の対象は、有効成分、製造方法、効能効果、用法用量など多岐にわたる。なお、後発医薬品に対して先発の新薬は先発医薬品と呼ばれる。
とwikipediaより引用してみたが分かりづらいと思う。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)が誕生するまでを説明するには、薬の開発の歴史から始めなければいけない。
新しい薬(新薬)はその有効成分が研究者によって発見されてから物語がスタートする。“※注:まだジェネリック医薬品(後発医薬品)は登場しません。”
研究者は有効成分を発見すると、特許申請⇒ここから約20年程度が特許で保護される期間。
有効成分を発見しても、それを薬として国に製造販売の許可申請が通らなければ製剤化すらできない。
製剤化できないで、手をこまぬいている間も刻一刻と特許で保護される期間は減っていく。
ここまでをまとめると・・・
新しい薬の有効成分を発見⇒特許申請⇒製造販売の許可がおり製剤化する。
ここで、おりた製造販売の許可は特許で保護されているので、残りの特許期間は開発した機関が独占的に製造販売する事ができる。
製造販売の許可がおり製剤化する。⇒特許期間約20年を経過⇒ジェネリック医薬品(後発医薬品)の誕生!
ジェネリック医薬品(後発医薬品)の製造には、新しい成分の研究開発費などがかかっていないので安価で提供できる。発売当初は新薬(特許切れ新しい薬)X0.7の値段。
にも関わらず・・・
日本での普及率はかなり低い。
後発品の普及は米国、カナダ、英国、ドイツなど先進各国で進んでいる。その普及率は米国71%、カナダ66%、英国65%、ドイツ62%といずれも60%を越えている(2009年・数量ベース)。一方、日本の普及率は20%程度にとどまっている。
普及しない理由は長くなるので別の機会にするとして・・・不思議以外の何物でもない。
新しい薬(特許の切れた新薬)とジェネリック医薬品(後発医薬品)の関係は
小売業で言う所の、NB(ナショナルブランド)とPB(プライベートブランド)の関係に似ていると思う。
用は、イオン系列のトップバリューの安価な商品はみんな買うのに、ジェネリック医薬品(後発医薬品)には尻込みしてしまう。
NBとPBの差より、新しい薬(特許の切れた新薬)とジェネリック医薬品(後発医薬品)の差のほうが遥かに低いのは周知の事実なのに・・・(※注:ジェネリックメーカーの回し者ではございませんのであしからず!)
まだまだ、未開発と言ってもいい日本のジェネリック医薬品(後発医薬品)市場に続々と外資や国内大手の内資が参入している。
第一三共⇒ランバクシー買収
中でも今日の日経新聞11面のテバファーマスーティカル・インダストリーズ(イスラエル)の社長兼CEOヤナイ氏の発言に納得させられた。
?日本の後発薬市場は『新興市場』
?クリティカルマス(普及臨界点)2〜3割だが、『3割というのはいい線だ。数量ベースで日本における後発薬普及率は約2割。3割を超えていけば加速度的な速さで5割以上に達するはずだ。』
ともに、仰るとおりだと思う。
垣根を越えて、医療分野に技術応用。
読売ジャイアンツの内野守備走塁コーチ木村拓也氏がクモ膜下出血のため亡くなって1年が経過した。
2010年4月2日17時40分頃、MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島での対広島東洋カープ1回戦の試合前、本塁付近でシートノック中に突如として意識を喪失しそのまま倒れ込んだ。直ちにその場で関係者や両チームの選手、救急隊によってAEDで蘇生処置を受けた後、広島大学病院に緊急搬送された。医師による検査などの結果、クモ膜下出血と診断され[5]、そのまま緊急入院して治療を受けていたが、意識不明の重体から容態は改善することのないまま、2010年4月7日3時22分に入院先の病院で息を引き取った。
脳血管がこぶ状に変化する脳動脈瘤は日本人の約2%が持ち、破裂すればおよそ1/3が死亡するとされる。
これまでは脳動脈瘤の状態解析には約70日かかっていたのを、日本を代表する会社の技術を応用する事で、最速数時間で脳動脈瘤の解析が可能だという。
その日本を代表する会社とは・・・
なんと、
トヨタのコンピューターを活用して、自動車の走行状態や衝突時の安全性などをシュミュレーションする技術と画像処理やデータの一括処理技術を応用する事で、脳動脈瘤の状態を把握し手術の緊急性の有無などを素早くチェックする事が可能になるかもしれないという。
今回のこのニュースは、今後様々な分野における日本のトップレベルの技術力を医療へと活用できるかもしれないという可能性を見出す内容だった。
まだまだ、治療困難な領域がたくさんあり、アルツハイマーや癌、糖尿病、高血圧、慢性腎不全・・・・・などに日本の産業の技術力が応用できないか熟慮する事が案外、日本の医療費を削減する最良の近道かもしれない。
エジプト、チュニジアも財政破綻の危機?
エジプトではムバラク政権崩壊後、労働者や公務員の賃上げで財政難が進んだ様子。2010年7月〜2011年6月の経済成長率が革命前6%と予想⇒革命後2.6%に落ち込む。財政不足120億ドルに。
チュニジアも成長率3.7%⇒1%に低下。
10年物国債の利回りが16%台後半に。
格付け大手フィッチはギリシャを3段階格下げ『BBプラス』⇒『Bプラス』既に投資不適格級の水準との事。
ギリシャ危機で緊縮財政のもと、公務員などの給料をカットして歳出を減らすよう努力してるように見えるギリシャがやっぱりデフォルト間近な様子。
一方、独裁政権が滅び、革命により自由をてにしたように見えるエジプトは公務員などの給与が増えて財政難。
自由を手にした代わりの代償がデフォルトならいたたまれない。
オバマ米大統領が19日に発表した20億ドルの支援のニュースで、エジプトの30年物国債利回りは8%⇒7.3%に落ち着いたみたいだが・・・
まだまだ、連鎖デフォルトの危機は去っていないような気がするが、アメリカでは米量的緩和第2段(QE2)のダブついた資金が米市場と日本の株式相場に流れてきているみたいで強気だが今後このまま上昇が続くとは思えない。