処方せん医薬品と処方せん医薬品以外の医薬品の販売について。

医療用医薬品には、処方せん医薬品と処方せん医薬品以外の医薬品というのがあります。

処方箋医薬品の販売については、

(処方せん医薬品の販売)
第四十九条 薬局開設者又は医薬品の販売業者は、医師、歯科医師又は獣医師から処方せんの交付を受けた者以外の者に対して、正当な理由なく、厚生労働大臣の指定する医薬品を販売し、又は授与してはならない。ただし、薬剤師、薬局開設者、医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者、医師、歯科医師若しくは獣医師又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者に販売し、又は授与するときは、この限りでない。

となっているので不可。

一方、処方せん医薬品以外の医薬品の販売については・・・

明確に駄目と定義する法律はないのですが、多くの調剤薬局では販売は見合わせているケースが多いと思います。

そこで今回のこのニュース⇒医療用医薬品として医師が処方している解熱鎮痛剤「ロキソニン錠」が、「ロキソニンS」として第一三共ヘルスケアから近く発売される。

医療用医薬品である、ロキソニンの区分は『処方せん医薬品以外の医薬品』であり、多くの調剤薬局は販売を見送っているカテゴリーです。

しかし、同じの成分の『ロキソニンS』は第1類医薬品という縛りはあるものの、普通に一般販売される予定です。

とっても矛盾を感じるのですが・・・

処方せん医薬品以外の医薬品の販売を完全に認めてフリーにすると、一気にセルフメディケーションが広がり医療費も大きく削減できると思うのですが、きっと色んな団体からの反発は必死なんでしょうね。

こんな薬も通らないぐらいですからね。
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高脂血症治療薬「エパデール」のスイッチは再審議

部会では複数の委員から、「健康診断の結果では信頼性が不十分」など、医師を介さない服薬を懸念する意見が相次いだという。

「エパデール」ごときと言ったら失礼ですが(健康被害の側面から)医師を介する必要性がさっぱり分からないんですけど・・・勝手に個人で必要と思う人が費用対効果を考えて、メリットがあると思えば自由に服用すれば良い薬だと思います。(誤解なきように言うと、とっても良い薬で自分も費用が安ければサプリメント感覚で毎日服用したい薬。事実、医師も処方してもらって、進んで飲んでいられる方多し。)

他にも、ムコソルバン(アンブロキソール)がスイッチOTCになって、CMでもこぞって『アンブロキソール』配合ってPRしてますが、ムコソルバン(アンブロキソール)ごとき?って言ったら帝人の人に怒られるかもしれませんが、医療用医薬品としてはそこまでの・・・といった切れ味と申しましょうか、ありふれた処方で複雑です。

医師の処方薬とスイッチOTC薬のギャップに戸惑いを感じます。

医師の処方薬>>>>>スイッチOTC

かなりセーフティーな成分(健康被害の面で)を、さらに石橋を叩いて叩いてようやく承認と感じなので、正直新しく承認されたスイッチOTCに落胆してしまいます。

それなのに、スイッチOTCはほぼ第1類医薬品なので薬剤師の文書での説明が必要になる煩わしさ。これはまったくもって提供者も消費者も望んでいないナンセンスな制度と言わざるおえないのではないでしょうか?

我々、薬剤師がやるべき事は第1類医薬品への薬剤師の介入の主張ではなく、処方せん医薬品以外の医薬品の販売の自由化ではないでしょうか?